こんにちは、明帆(@Sweet_Project78)です。
日本において、「団塊の世代」800万人全員が75歳以上となり、後期高齢者になる2025年問題が直前となりました。
この世代の方々が75歳以上を迎えることで、総人口1億2257万人のうち、後期高齢者の人口が2,180万人に達します。割合にすると総人口の18%、5人に1人の方が後期高齢者となります(参考:今後の高齢化の進展~2025年の超高齢社会像~/厚生労働省)
今後、高齢者施設利用の需要が高まっていくことは必然で、それに伴い、利用者を支える働き手の需要も増えていきます。市場予測では周知のとおり、介護に携わる人材が圧倒的に不足するとされています。
そこで、この記事では、明帆が実際に介護付老人ホームで働いた経験を活かして、利用者様の目線と、ホームで働きたい方の視点から、両者にとって良い介護付き有料老人ホームの選び方のポイントをまとめています。
- 来所しやすい環境にあること
- 「お客様」と「従業員」という関係性(接遇)への意識が高いこと
- 目につきにくい場所の衛生状況と各所導線状況
- 配置人員が多い(最低人員3:1では不安)
- 職員同士、職員とご入居者、ご入居者同士の人間関係が良いこと
- ベテランの職員が多いかどうか(特に看護師)=定着率
- 施設の構造や立地状況が良い
- 常設備品の設置状況
- 長期的な視点で金銭面の維持ができるかどうか
- 自身がそのサービスを受けたいか(提供したいか)
明帆さんが「体験したこと」から、「具体的なポイント」がこんなにも見えたのですね!
人の最後に携わる現場で、「人の心にどこまで寄り添えるか」がとても大切だということに改めて気付けたことが大きな学びでした。
1. 介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームの選び方の前に、まずは、「介護付き有料老人ホームはどのような施設か」についてご案内いたします。
介護付き有料老人ホームとは、「要介護認定」を受けた方のみが入れる(=介護付き)、一般の「不動産賃貸契約」に基づいて暮らす集合住宅(有料老人ホーム)です。
「24時間職員が常駐」、掃除や洗濯などの「身の回りの世話」、食事や入浴、排せつなどの「介助サービス」を受けることができます。施設によっては、看取りまで行っており、終の棲家としての意味合いも持っています。
主として「民間企業が運営」しており、設備・人員などの要件を満たして都道府県の認可を受けた施設を指します。
月額利用料につきましては、定額の要介護度に応じた介護サービス費を除く費用は、ホームによって様々です。下限から上限まではピンキリで、入居一時や月額利用料金が高いからといって良質なサービスが提供されているとは限りません。
1-1. 費用がかかるのに介護施設が利用される理由
「介護をする側」と「介護をされる側」それぞれにいろいろな理由があります。その理由のうち、いくつか挙げてみます。
- 専門的な知識がない
- 介護うつや介護疲れになる
- 介護離職ができない
- 親族と離れて暮らしている
- 病院退院後の受入先がない
- 親族に迷惑をかけたくない
- 親族に介護をする気がない
- 親族と離れて暮らしている
- 病院退院後の受入先がない
- 自宅の構造に問題がある
介護をしていると、人間関係が疎遠になるなど、その人にしか分からない辛さがあります。
ひとりで悩まずに、公共機関や、頼れる友人など、身近なところに相談することが大切です。
1-2. 要介護認定の受け方
要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。
制度についての詳細、認定の受け方については「市区町村役所の介護福祉課」に問い合わせいただくのが確実です。認定調査員や役所の職員の方などと日程調整して認定調査が行われる流れとなりますので、その点、抑えておきたいところです。
介護保険制度の法改正や、介護保険証の有効期限なども気にかけておきたいところです。
2. 優良な施設を見極めるポイント10選の理由
先に挙げさせていただいた10選について、「ご入居者」と「施設勤務希望者」の両者の視点から述べさせていただきます。
優良な高齢者施設の見極める際に最重要となるポイントは、「長期に継続して利用できるかどうか」というのが明帆の答えです。
以下にその理由を紐解いていきます。
2-1. ご利用者の視点からみた優良な施設とは
介護付き有料老人ホームをご入居者の視点でみていくと、大切なご家族を安心してお預けできるかという点が重要です。
そのうえで、費用が続くかどうかも視野にいれて入所先の検討をします。
入居一時金がかからない施設もあるため、探してみられると良いかもしれません。
体験入居はできるだけした方がよいです。
- 事故などがあって急な呼び出しがあったり、外出対応があったり、物の持ち運びなどの用事があったり、医者の定期往診に立ち会ったりなど来所機会は意外と多いので「近隣施設がベスト」です。キーパーソンのご年齢からも、体力的に長続きする場所を選びたいです。
- 「仕事」としての認識を持っていない職員も多数存在します。ご入居者は「お客様」です。
- 職業意識が低いと安全衛生への意識が低い傾向があります。ご家族が危険に晒されるような施設は避けなければなりません。
- 最低配置人数(ご入居者:職員=3:1)の場合、共用フロアでの見守りがゼロにしばしばなります。看護師やケアマネージャーなどがサポートに入れれば救いはありますが、両職が本来の役割を果たせなくなる可能性がでてきます。
- 職員同士の人間関係が良くないと職員がすぐに入れかわります。ご家族のことをよく知っていただく機会がないまま人が入れかわり続けるような施設には信頼が持てないかと思います。人間関係はよく観察した方がよいです。ご入居者同士の人間関係も大切です。
- 重大事象の対応ほど経験がものをいいます。迅速かつ冷静に動ける職員が求められます。人の入れかわりの激しい施設ではトラブルに巻き込まれるリスクが高いです。
- 日当たりが悪いとご家族が不穏になったりもします。また、転落転倒の可能性が高い施設構造や、外部との連絡路に目を光らせないといけない施設は事故のリスクが増えます。
- お客様に用意していただくものが少なければ来所機会も減って対応が楽です。持ち込み品が多いと、ご家族の認知状況によっては物が直ぐになくなって対応に困ります。常設備品状況の確認も大事です。
- 介護度が変わればお金が大きく変わります。長生きするほど金銭面でのリスクが大きくなります。平均寿命をひとつの指標に、その維持費がいつまで工面できるか考えましょう。転居となるともっとお金がかかります。
- 自分がその施設で暮らしたいか考えると、その施設の実態が自ずと見えてきます。
2-2. 働き手の視点からみた優良な施設とは
高齢者施設を働き手視点でみていくと、「負」の概念が切っても切り離せない一面となって定着しています。その実態は次の通りです。
- 看護師は「オンコール対応」があることからワーク・ライフバランスが悪く、介護士であれば介護福祉士を取得しても給料が安いまま。
- 肉体的にも精神的にもきつい。看取りの立ち合い、事故によってご入居者の身体機能に異常が起こってしまう状況では辛い思いをしなければならない。
- 運営者と従業員、看護師と介護士、看護師(介護士)同士不仲な職場も少なくない。
こうした点を踏まえて、10選を見ていきます。
- 健康維持が要なので、職場の近くに住みたいところです。
- 「仕事」としての認識を持っていない職員も多数存在します。
- 職業意識が低いと安全衛生への意識が低い傾向があります。
- 最低配置人数(ご入居者:職員=3:1)の場合、フロアを駆け回り続ける可能性があります。
- 人間関係はどこの職場でも大事です。よく観察しましょう。
- 重大事象の対応ほど経験がものをいいます。迅速かつ冷静に動ける職員が求められます。人の入れかわりの激しい施設ではトラブルが起こるリスクが高いです。
- 洗濯が乾かない、飛散物がひどい、害虫が多い場所など、立地が悪いと対応が大変です。日当たりが悪いとご入居者が不穏になったりもします。また、転落転倒の可能性が高い施設構造や、外部との連絡路に目を光らせないといけない施設は事故のリスクが増えます。
- お客様持ち込みの品が多い程管理が大変です。所持者の認知状況によっては直ぐに物が消失し、責任を問われます。お客様に用意していただくものが少なければ説明の手間も省けるため、常設備品状況も大事です。
- 生活の為に働いています。それが成り立たなければ本末転倒です。
- 自分がその施設で暮らしたいか考えると、その施設の実態が自ずと見えてきます。
「ご入居者からの視点」と「働き手からの視点」は多くの要所が共通していますね!
3. 介護付き有料老人ホームの選び方10選まとめ
優良な介護付き有料老人ホームの選び方10選のまとめはいかがでしたでしょうか。大切なご家族だからこそ健康で長生きしていただきたいですね。
本日の記事のおさらいです。ご利用者とサービス提供者に共通する優良な高齢者施設の見極めポイントである10選をさらにまとめると、次の3点が特に重要になります。
- 近隣に立地し、施設の安全衛生管理が行き届いているかどうか
- お金の面で継続できるかどうか
- 人員配置と人間関係。ベテランスタッフの割合
今後ますます増える高齢者。2040年には65歳以上の人口が、全人口の35%、3人に1人の割合となるそうです。
自身の老後のためにも知識を身に着けておきたいですね!
最後まで記事をお読みくださり、ありがとうございました。