こんにちは、明帆(@Sweet_Project78)です。
医療・福祉の現場での人出不足はコロナ禍以前より深刻な問題でした。それは、医師に限らず、看護師や介護士、薬剤師など、医療・福祉従事者が不足しています。
団塊の世代800万人の方全員が2025年に75歳を迎えて後期高齢者となります。この超高齢社会ではありとあらゆる労働分野で人手が不足しますが、特に医療・介護とサービスの分野での人手不足が深刻で、地方ほどその傾向が強くなります。
このような背景から、医療従事者は引く手あまたで働く場所に困らない現状があります。その一方で、ワーク・ライフバランスの崩壊が原因で、医療従者の職場定着率は低く、医療従事者の転職市場が活発になっています。
医療従事者の過重労働が命の現場に与えるリスクは計り知れないものがあります。このことはニュースでも度々話題となっていて、子供や自身が受ける医療の問題として、筆者も気になっています。
- 医師が抱える悩みのダントツはワーク・ライフバランス。その解消方法として、転職・転科が多く選ばれている。医師の転職経験者は7割。転職回数は平均で4回前後
- 常勤医師の8割が過重労働で何らかのヒヤリ・ハットを体験。医師と患者双方に医療事故の当事者になってしまう高いリスクが生じている
- 厚生労働省推計によれば医師需給の均衡見込は2028年(残業時間の上限規制に対する影響が十分織り込まれず)。転職市場に影響を及ぼす可能性がある
- 非常勤医師の平均時給は約1万円。常勤でなくても生計が成り立つ。人生設計が立てやすい
- 転職を考える医師にとって、人材紹介会社のエージェントは強い味方になる。激務の医師に代わり、労働条件の交渉や日程調整なども行ってもらえる
私たちの生活と切り離せない医療。関わる人すべてに良い環境であって欲しいですね!
1. 医師が抱える悩みのダントツはワーク・ライフバランス
ワーク・ライフバランスとは、簡単に言えば「仕事と私生活の好循環」のことです。私生活が上手くいけば仕事の成果も向上。
仕事の成果がでれば、私生活も充実するというサイクルを指します。この仕事と生活の調和が今医師に最も必要とされています。
実際に、お医者さんを辞めたいと考えたことがある方は約6割ほどいらっしゃるそうです。
1-1. 医師を辞めたいと思った理由は激務や長時間労働によるもの
命の現場に携わる医師の責任は重大たく、その仕事量も膨大です。
当直前後の通常出勤は当り前(当直時平均睡眠時間は約5時間程度)で32時間以上連続勤務、電子カルテの導入やインフォームドコンセント普及に伴う説明時間の拡大など、業務の幅も広がっています。
メディウェル が運営し、最前線で活躍する医師へのインタビューや、キャリア・ノウハウ記事を紹介している「EPILOGI」が2020年3月11日に公開した「医師の仕事を辞めたいと思った理由」の調査では次のような結果が出ています。
呼び出し対応もあるため、どこにいても休まる時間がないですね…。
1-2. 医師がワーク・ライフバランスを改善した方法の多くが転職・転科という事実
医師の転職経験者は7割程度で、そのうち転職回数は平均で4回前後です。
1-1でご紹介のメディウェル が提供する別サービス、「医師転職研究所」が2018年11月28日~2018年12月25日に医師531名(うちメディウェル会員431名、Medpeer会員100名)に対して行った「医師の転職に関するアンケート調査」では、「転職したいと思ったとき/きっかけ」が次のような結果となりました。
ワーク・ライフバランスに関する項目が多く、次いで「年収・待遇面での不安を感じた」となっています。
また、同アンケートでは、転職未経験の医師に「もし転職活動を始める場合、不安や障壁になりそうなこと」についても調査しており、結果は次のようになりました。
「希望に叶う転職先が見つからない」が54.2%と半数以上を占める結果となりました。
他に多い項目では「大学医局や現在の職場を離れづらい」が35.9%、「転職活動の方法がわからない」が31.4%となっています。
そして、転職が「うまく進んだと回答した件数が9割」と高い数値を示し、「転職の結果満足していると回答した件数も9割」という高い数値を示されました。
2. 医師の過重労働と医療の質の低下
医療スタッフが不足すると、医療の質が低下します。最善最適な医療サービスの提供が叶わない働き手側と充分な治療が受けられない患者側、双方にデメリットがもたらされます。
心身共に限界まで擦り減らして働く労働環境ではいつ重大事故が起こってもおかしくないですね…。
医療ミスが起こると命に係わることにもなります。心配ですね。
労働に関する総合的な研究調査を行う独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った調査研究成果(調査シリーズ)によると、「常勤医師の8割が過重労働で何らかのヒヤリ・ハットを体験」という調査結果となったそうです。
具体的には、処方・投薬・オーダーミスに関するヒヤリ・ハットが多く、違う薬を口頭指示しそうになったり、投薬量を間違えて指示してしまうところだったりなどが挙げられます。
このように、医師の労働環境が改善されない限り、医療と患者に永遠に夜明けが訪れないことになります。患者の健康に携わる医師が、自身の心身の健康を保てないという矛盾に行き着いてしまうのです。
3. 医師需給の均衡見込は2028年 転職市場に影響がでる可能性
2018年4月12日、2028年頃に医師の需給が均衡、その後は医師が供給過多になるという推計が厚労省が公表されています。
残業時間の上限規制に対する影響が十分織り込まれていないものの、「医師不足は近い将来解消する見込み」という見解です。
人口減の影響で早ければ2030年ごろから全体の医師や医療への需要が減り始めるという見通しも出ています。
また、2018年6月、日本病院会が実施した調査によると、全国1111病院のうち598病院のうち経常赤字の病院は約54%で、実に半数以上の病院が赤字であるという事実も明らかになっています。
医師の需要が減る一方、病院の財政難も解消されなければ、希望する条件での求人が減る可能性も考えられます。
医師が容易に転職できる現在の環境に変化が訪れるかもしれませんね…。
4. 非常勤医師の平均時給と希望条件
リクルートドクターズキャリアの行ったアンケート調査によると、非常勤医師の平均時給は約1万円だそうです。
同社の記事から、「非常勤を希望する医師が気になることなど」をまとめると次のようになります。
- 非常勤勤務を希望する医師が最も重視する項目は「給与(40.3%)」。次に重視する「勤務内容(39.3%」で合わせると約8割となる
- 医師不足の地域ほど時給が高くなる
- 未経験歓迎の科目での求人数が増加
- 産業医などの人気が高く募集が少ない科目では常に医師が待っている状態
- 人気の高い科目の医療機関が自院で募集せず、スキルの高い医師を求めて紹介会社に依頼
医師の平均時給が高く、職に困らないという特徴を活かせば、心と身体にゆとりのある生活を送ることができます。
5. 転職を考える医師にとって転職エージェントは強い味方になる
医師がワーク・ライフバランスを改善して、収入面でも希望を叶えようとする時に、「転職」が最善の選択肢のひとつに成り得ることがわかりました。
もし、医師の方で転職活動を少しでもお考になられているなら、「複数の転職エージェントと契約すること」が成功への近道です。
転職エージェントのサービスは無料なので、活用しない手はありません。
- 面接の日程調整や、採用条件の交渉、入社日の設定などを代行してもらえる
- エージェントによって紹介できる病院の数や、持っている情報量が異なる
- 窓口が多いほど、たくさんの求人情報が得られる
医師の方が利用できる転職サイトをいくつかご紹介させていただきます。
激務で時間の取れない医師の方にっとて、エージェントは心強い味方なのですね!
6. 医師の仕事と生活の調和が医療と患者を救うまとめ
本日もブログを最後までお読み下さってありがとうございました。
沢山の医療従事者が過酷な労働環境の中、私たちの暮らしの中に潜む病やケガを治療するために懸命に働いて下さっています。医師の方が安心して仕事に臨める環境であって欲しいと切に思います。
本日の記事からは次のようなことがわかりました。
- 質の高い医療サービスが提供されるためには、医師のワーク・ライフバランスが大切
- 医師の過重労働が重大な医療事故を起こす要因に成り得る
- 医師の仕事と生活の調和の実現のために、「転職」が最善な選択肢のひとつになる
医師の方々が心と体にゆとりを持って仕事に臨める環境があってこそ、医療を受ける側の安全と安心がはじめて提供されるのですね。
本日もありがとうございました。次回もまたよろしくお願いします。